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孝行息子の帰還 [たまごのおでかけ]

今年は珍しく早めにタイヤを換えたら、
そのせいか、雪が全然降らず、
♪雪が降らん~ あんたも来ない~♪と歌う日々でしたが、
とうとう降りました。
朝起きたら、車の上にはこんもりと雪が。

年末の買出しに出ようとすると、タマ爺がなにやら準備をしている。
なんでもコハクチョウの写真を撮りに湖山池まで行くらしい。
タマ爺、昨日も出かけていた。(昨日もかなり寒かったが)
いつもやってくる行商のおじさんに
「池にコハクチョウが来とるで!写真、撮りに行きんさい!」
と言われ、ノコノコ出かけたのです。
クソ寒いのに出かけろ、とは
80歳近い老人に心臓麻痺を起こさせかねない悪魔の囁きのように聞こえますが、
行商のおじさんはそんな悪い人ではなく、それどころかたいへんな善人で、
おじさんの発言に正確を期すれば、
「コハクチョウが来とるで!お父さんを車で連れていってあげんさい!」
とタマゴに向かっておっしゃったのであります。
しかし、タマゴはおじさんの言うことを聞かなかった。
ちゅうか、聞くわけがない。
なぜならば、タマ爺の写真撮影に付き合わされるのはモーこりごりだからである。
そのバカらしさは骨身に沁みとる。

思えば、免許取立ての頃、
「これで、いつも自転車で行動しとるタマ爺を車で写真撮影に連れていってやれるの」
と殊勝なことを考えたものですが、世の中そんなに甘ったるいもんではなかったですな。
タマ爺の撮影行動は常軌を逸しとったですわ。
おまけにチョーワガママ。モロ運転手扱い、されてしまった。とても、よぉ付き合わん。

で、昨日は黙って出かけるのを見ていたわけですが、
それもそのはず、つい先日、タマ爺は湖山池を一周してきたばかりなのである。自転車で。
家から池までの距離を含めると往復20キロだ。
そげな体力爺をなんで車に乗せていかないけんだ?

しかし、今日はさすがに道路に雪が残っているので、自転車では危ない。
昨日も突風に煽られ、ガードレールにぶつかった、と言っていたではないか。
風が逆方向だったら、車に轢かれるところである。
おまけに今日は雪で滑って転ぶ危険もある。
そこに車がやってきて、グシャ~と轢かれたりするかもしらん。
轢かれると家族としては内心喜びを禁じえないが、相手の人が可哀相だ。
そこで、珍しくタマゴ、
「しゃーない、乗っていけ」。

しかし、タマ爺は慎重だ。なかなかタマゴの誘いに乗らん。
これまでも、そう言われてうかうか便乗してしまったものの、途中で
「わりゃ!やかましーわい!ここで降りーっ!」と言われたことが何どもあるせいである。

が、今日はあまりにタマゴが強く勧めるので、タマ爺も折れました。
そしてタマ爺&タマ母(買出し部隊)を乗せ、車で湖山池に向かったタマゴ車。
撮影スポットに着いてみると、ありゃー、すごい風だがな。
池の浪飛沫が池の端の田圃のなかまで飛んできとる。
こりゃ、風にあおられて池に転落⇒溺死ないし凍死ないし心臓麻痺
ということは大いにありうるどー。
とは、思ったものの、タマゴたちには買出しの用があるので、
そのままタマ爺を置き去りにして、タマゴ車は走り去ったのであります。

たっぷり時間をかけた買出しの帰り、
車の窓から池畔をいくら探してみてもタマ爺の姿は、ない。
仕方なく、同乗していたタマ母に指示。
「池の端を見てまわってこい」
「え?わしが、え?」
「そーだがな。池のなかに落ちとるかもしらんだろーが」
「おまえは降りんだか?」
「降りん、な。だって寒いがな」
「池に落ちとったら、どーするだ?」
「落ちとったら、引きあげたれーや。間違っても、呼びにくるなえ」
「えー、わし一人だぁ、よぉ引きあげんでー」
「そんなら、救急車を呼べ。どっちみち、呼ばないけんだけ」
「おまえ、携帯電話、持っとるか?」
「持っとらん。借りたらえーがな、そのへんの家の電話を。
 電話が終わったら車に帰ってきて、よし」。

と、押し問答をしているうち、気がつきました。
タマ爺、バス停のボックスのなかでブルブル震えとりましたわい。
曰く「いつまで経っても、迎えに来んけ、わしゃ、捨てられたんかと思ったがなー」。
ま、限りなくそれに近かったのは事実。

ともあれ、今日は親孝行をした。たいへんよい気分である。
♪オヤジの頭に漬物のーせて
 こーれがホントの親こうこ♪(『アルプス一万尺』のフシで)
幼い頃、タマ爺が教えてくれた歌である。


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okko

たまご親子騒動記で今年の幕切れか?
ぜひ、その写真の数々をアップしてください。それがせめてもの親孝行じゃ。
ことしもダラズブログ、時には抱腹絶倒で読ませていただきました。
島根県知事の話は、ヨソモンには難しい。でも、ジイサマ「おい、島根の知事がもう選挙にでないんだって」と唐突な発言、「それがどうした?」「島根の人、ダイジョブかな?」「何が?ああ、あのダラズは大抵のことでは驚かんから・・」というような会話が、日本の首都東京の片隅で交されていたことは、お知らせしときます。
ご家族お揃いで・・・・欠けとらんな・・・・よいお年をお迎えください。
by okko (2006-12-31 15:21) 

温泉たまご

昨年の幕切れをお話ししませう。
年末、得意の炊き込みご飯を製作していたタマ爺、
例によってテレビに夢中になってしまい鍋を焦がして、
タマ母にどえらい勢いで叱られとりました。
その数時間後、黒豆を煮ていたタマ母が
やはりテレビに夢中になってしまい、鍋を焦がしました。
タマ爺は得意満面で厳しく指導しとりました。

このままだと鳥取県は道州制導入を待たずに
島根県に編入されてしまう可能性大です。
実際、明治の頃に島根県であった時期もあるですわ。
ちなみに、かつて中選挙区時代、NHKの衆院開票速報は
「こちらは世田谷区です!
 あの鳥取全県区より有権者の多い世田谷区です!」
と叫んどりました。たぶん、その差は大幅に拡大しとるものと思われます。
♪とっとーり、とっとーり、とーっとりけんみん♪(鳥取県民歌)
進め60万、火の玉だ!
本年もよろしくお願いいたします。
by 温泉たまご (2007-01-02 05:09) 

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