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民よ、魂の叫びに導かれよ。 [八頭の旅]

 (レストラン四季のカツランチ 税込740円)

あなたは魂の叫びをお聞きになったことがありますか?
タマゴは今日、聞きました。
タマゴの魂はこう叫んでおりました。
「ミックスフライ定食が食べたい!」。

タマゴは思案いたしました。
どこにミックスフライを求めるか?
つまり、どの店でミックスフライ定食を食べるか?

ミックスフライ定食を出す店は、そこら中にあるはず。
しかし、今日のタマゴの気分と体調(コンディションといふやつです)にマッチする
ミックスフライの食感・味、店の雰囲気・寛ぎやすさ等々を考慮すると、なかなか判断が難しい。

こういうときは、ポッと頭に浮かんだ店に行くのが正解です。
そして、タマゴの脳味噌が空疎な頭に浮かんだのが
「レストラン四季」でありました。

「四季」といえば、これまでこのブログにも何度か登場したことがあると思います。
今は鳥取市になっていますが、旧・八頭郡河原町の、
これも今は新しい道になってしまいましたが、
旧・国道53号線沿いにある、多彩なメニューを誇る大衆レストランです。

ちなみに「四季」の隣には
あのMOTTAINAI STORE「スーパーたけかわ」があります。
つまり、このあたりは河原町のゴールデン・スポットなわけです。

しかし、ひとつだけ問題がありました。
それは、本日のタマゴの予定ルートから大きく外れている、という。
タマゴは鳥取駅周辺に用があったのです。
「四季」に行くとなると、大幅に遠回りをしなくてはならない。
いや、あれは遠回りというものではない。
はっきし言って、全く別方向に行くことになってしまふ。

迷いましたね。
もっとルートに沿った穏当な店に行った方がよいのではないか。
タマゴの常識はそう囁いていました。(なにしろタマゴは類稀なる常識人なので)

しかし、この常識に即した判断というやつが曲者でしてね、
こういう判断をすると大概後悔するハメになるのですよ。
「あー、やっぱり最初に思ったとおりにしておけば、よかつた・・・」
そう思うのは目に見えている。
したがつて、こういふときは、本能の命ずるままに行動するのがよいのです。

よってに、タマゴ、車を河原町方面へ走らせました。
「レストラン四季」は「それを目的として旅をするに価する店」ってわけです。
旅をする、とはまた大仰な言い草だとお思いでせうが、
タマゴにとって、三歩移動するだけですでに旅なのです。

なぜ、三歩移動が旅なのか。
それは、以前からお読みの方はよくご承知でせうが、
タマゴは三歩歩くと、さっきまで考えていたことを忘れてしまふのです。
ところで、旅とは日常から離れることではないでせうか。
となれば、
三歩移動するだけでも、さっきまでの日常から離れるという点から見れば、
すでに立派な旅であるわけです。(←okkoさんの強烈な反論を恐れる・・・)

したがって、旧・河原町に存在する「レストラン四季」への道程は、
タマゴにとって充分すぎるほど「旅」であったわけです。

さて、首尾よく「四季」の駐車場に車で乗りつけたタマゴ、
店に入ろうとして、ハッ!としてグ~ッ!でした。(グ~はお腹の鳴る音とも愚~っとも解せます)
店の玄関にこんな貼り紙があるではあーりませんか。

「本日の営業は午後2時までです」。

なにーっ!?ちゃなもんですわ。
なにしろそのとき、すでに1時20分。
こーりゃ、もう店に入るな、と言われとるやぁなもんですわ。
ガックシきましたね。
わざわざここまで来たといふのに、なんたる始末であることか・・・。

で、タマゴ、いったん車に戻ったのですが、ここで考えなおしました。
たしかに本日の営業は午後2時までである。
しかし、常識的に考えて、ラストオーダーは1時30分ではなかろうか。
いや、要するに2時までに食べ終えればよいわけで、
寛容なる「四季」は、1時30分などと細かいことは言わないであろう。
いずれにしても、まだ手遅れではない!
それに、ここまでわざわざやってきたのである!
ここでスゴスゴ引き返すようでは、男が廃る!

というわけで、勇を鼓して、店内に踏み込みました。
案の定、店内は空っぽでした。
いちばん手前の席に座りました。
おばさんが快くタマゴを迎えてくれました。

メニューを手にしたタマゴ、ミックスフライ定食を探す。
探す・・・探す・・・探す・・・。
なにしろここのメニューは膨大であるので、なかなか見つからない。
なおも探す・・・探す・・・・
タイムリミットが頭に叩き込まれているので、常識人のタマゴとしては焦る。
焦る・・・焦る・・・焦る・・・。
おばさんが水を持ってきてくれる。
タマゴ、自分勝手に追い詰めれてしまいました。
もはやこれまで!注文するのは今しかない!
そう思い込んでしまったのです。

そして、タマゴの口を突いて出た言葉は
「カツランチ、お願いします」。
つい、いつも食べているものを注文してしまつた。
今日はミックスフライが食べたくて、ここまで来たのではなかつたか・・・?

しかしですね、
ここのカツランチはまことにタマゴの好みと合致しておるのでございますよ。
どのように合致しておるのかと申しますと、
要するに、脂身が多い!
これは隣の「スーパーたけかわ」の惣菜コーナーで売っている
「とんかつ」にも言えることです。
この両店は共同戦線を張っているのではないか、と勘繰りたくなるほど
両者のカツはよく似ている。

それにね、このカツランチのカツの揚げ方が、またまことに
タマゴの好みと合致しておるのでございますよ。
最近流行りのとんかつ屋にあるような過度にサクサクしているわけでもなく、
そうかと言って、全く衣の歯応えがないわけでもない。
要するに「程がいい」ってやつです。(タマゴと同様に)

そのように自らを慰めながら、カツランチがやってくるのを待ちつつ、
なんとなくボサーッと再びメニューを眺めておりましたらば!

ありゃ・・・・この・・・・「シーフードミックス定食 1050円」というのは・・・。
これはまさしく「ミックスフライ定食」と同義ではなかろうか?
いや、そうに違いない。
そりゃ、そーだわなー。ミックスフライがないわけがない。
ほかにも「エビフライ&○○」定食とか、そういうのがメジロオシなのだから。
うーん、やはり焦りは禁物であったか・・・。
いつもこれで失敗しているのではありますが、この癖はなかなか改まりませぬ。

カツランチはすぐにやってまいりました。
タマゴが嬉々として食べている間、
タマゴの席の隣とそのまた隣の席に、カツ丼らしきものが8人前準備されました。

これはいったい何だろうか・・・・
この閉店時間の差し迫ったなか、団体さんの予約でもあるのだろうか。
それとも、従業員の人たちの賄いなのであろうか。
いや、いかに「四季」といえど8人も従業員がいるはずはないが・・・。

などと、例によって益体もない思考を巡らせておりますと、
「こんちは~来ましたで~。8人で予約しとったモンですけど~」
とゾロゾロお客さんが入ってきたではありませんか。
8人で予約しとった・・・って、あんたら以外にそんな客はあり得んがな。

「お~、ちゃ~んと出来とるがな~」
「ありゃ~、もう並べてあるがな~」
「1時半ぴったりに来たけな~」
と口々に話す面々の服装からして、
どうやらこれは、鳥姫線工事の関係者ではないか、とタマゴは睨んだです。

う~ん、あのカツ丼らしきものも美味そうだの~。
しかし、彼らが予約の1時半ちょうどに現れたからよかったようなものの、
もし5分でも10分でも遅れていたら、あの蓋のないカツ丼は
どんどん冷めていったはずで、そしたらどうなっていたのであろうか?
たぶん、「四季」が動じることは全くなくて、
彼はそのまま(つまり冷めた状態で)カツ丼を食べることになったのだろうな。
それがいかにも「四季」らしい、そして正しい振舞ではなかろうか・・・・。

などと思いつつ、タマゴはカツランチを貪る。
貪る・・・貪る・・・貪る。
貪った結果、カツランチはあっという間になくなってしまいました。

ズズズーッとお茶を啜って、水をグググイーッと飲んで、
グラスの底に貼り付いている小さくなってしまった氷を
強引にカラカラカラーッと落として頬張って、
(グラスを垂直に逆さにして、底をとんとんとーんと叩いたわけです。
 もちろん、タマゴの首は後ろに傾くこと90度)
これで本日のお昼ご飯は終了いたしました。

満足至極なお昼ご飯でした。
やはり本能に従って正解でした。
「四季」は旅に価する店でした。

旧・八頭郡にはこのようになかなか優れた店、
すなはちタマゴ好みの店が多いのです。
今後は、鳥取の源流とも言えるこの旧・八頭郡をシリーズで紹介していこうと思います。
題して「八頭の旅」。
忘れっぽいタマゴのことですから、シリーズといっても今回限りかもしれませんが。

ところで、「八頭」は「やず」と読みます。
「やづ」が正しいのではないか、とも思いましたが、
まぁ、それはどちらでもよいでせう。
ちなみに、旧・郡家町(現・八頭町)には、「八頭高校」があります。

タマゴが学生の頃、「八頭高校」が甲子園に初出場を果たしたことがありました。
その夜のNHKのニュースでこう言っていたのを覚えています。
「今日もいくつかの県で甲子園出場が決まりました。
 鳥取県代表は初出場・・・『やつがしら』高校です・・・・」。
アナウンサーの一瞬の沈黙に彼の戸惑いが見てとれて、
視聴者としてはなかなか面白いシーンでした。
よいですか。「やず」ないし「やづ」ですよ。決して「やつがしら」ではありません。

ところで、「四季」を出たタマゴが駐車場で目にしたのは、
農協関係の車両でした。
どこが「鳥姫線の工事関係者」だい!?
この次は「シーフードミックス定食」を食べてみよ。


注:「鳥姫線」
  現在工事中の鳥取市と兵庫県・姫路市を結ぶ高速道路。
  「姫鳥線」が一般的呼称ですが、タマゴとしてはあくまで「鳥取」を起点に考えております。
  開通時には「鳥取自動車道」と呼ばれると予想されますし。
  これにより鳥取市は中国自動車道と直結、
  全国で唯一高速に繋がっていなかった県庁所在地がなくなります。

  俗話ですが、旧八頭郡を地盤とする石破茂代議士は、
  小泉内閣当時、福田官房長官に鳥姫線の必要性を酒席で訴えたことがあるそうです。
  そのとき、福田氏は
  「どうして鳥取に何本も高速道路が要るんだ!?」
  と怒気をはらませ詰問されたとか。
  どうやら約20年前に開通した県西部の米子市の「米子道」と勘違いしておられたようです。
  「高速のない県庁所在地は鳥取だけなんです!」
  石破代議士が涙ながらに訴えると、
  「高速のない県庁所在地なんか、あるもんか!?」
  「それが、あるんです!」
  福田氏、しばし呆然とされたあと、
  「それは・・・・地元の声が小さすぎる!」。


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horigon

最近の女子供は上品ぶって、トンカツもヒレ肉なんぞを頼みますが、
このメタボhorigonに言わせれば、邪道ですな。
肉の真髄は、脂身にあるといっても過言ではないと思うのであります。
しかるに、我が家の女子達も脂身には顔を顰めるので、
「へん、そんなにカロリーばかり気にして飯が食えるか」と、星一徹の
ように卓袱台をひっくり返し・・・・・・たい願望にかられる今日この頃。
もっとも、身体と年齢は正直で、脂ものを摂ると胃もたれで翌日が
辛いのであります。
by horigon (2007-09-06 08:37) 

okko

相変わらず、ダラダラと長いですな。
だいたい、「ミックスフライ」とは何者?何と何が、どのような割合でミックスされておるのか、バアには分かりません。ミックスで唯一理解できるのは、サラダぐらいなもんで・・・・勉強不足でございました。
三歩歩んで、忘れる、そしてまた三歩、立派な旅ですがね。そうやって三歩づつ、あなたは冥土への旅を続けて行かなければならんのですわ。

八頭の問題に移りませう。
お芋さんの方は、八頭芋又は、九面芋という。
そちらの地名と同じですけど、産地ですか?
アナウンサーに罪はないと思うのですが、どうでせう?

ともかく、頭を八つもった妖怪がおったことには間違いない、と信じております。明快なご回答をば、是非!!
by okko (2007-09-06 10:44) 

INDY

ありゃ!手刀で駐車場に堂々と入ってしまう温泉たまごさんにしては、なんとシャイな・・・。インディが好きなミックスフライは地元ととやのひれカツ、エビフリャーと特製カニクリームコロッケと自家製野菜サラダのセットです。・・・いかん!食べたくなってきた。メタボが進む・・・
by INDY (2007-09-13 22:17) 

温泉たまご

まずはお詫び。
すみませんね。諸般の事情により最近、サボッてました。
(あまりにしょーもなくて事情のうちに入りませんが)
えらい失礼しまして、すんませんでした。

☆horigonさん。
全くそのとおりです。ヒレカツなど邪道も邪道。
トンカツの精髄ははあの脂身にあるのです。
ちなみに、タマゴは我が家の食卓にヒレカツなどが出てきた日には、
「これはトンカツではない!」と大音声を発したのち、
それからおもむろに、全て平らげることにしております。
タマゴは、先日、焼鳥を14本食べ、自らの限界を悟りました。
たったこれだけで限界を迎えてしまった自分が情けなかったです。

☆okkoさん。
たしかに「ミックスフライ」とは実に曖昧な表現です。
タマゴの求めていたのはお魚フライ取り合わせです。
その意味では「四季」の「シーフードミックス」はより正確といえるでせう。

メイドへの旅。まことに同感です。今後は、メイドへの到達を遅延すべく、できるだけ歩かないよう、ゴロゴロして暮らすことを心がけます。

芋。そうそう、タマゴも記事を書く前、珍しく字引で「やつがしら」を調べてみたのですよ。やはり芋しか載ってませんでした。
が、八頭郡は果物の産地ではありますが、芋の産地ではありませぬ。

名称の由来は、調べなおしたわけではないですが、
以前タマゴが神戸市立博物館図書閲覧室にて「地名事典」で調べた曖昧な記憶によりますと、かつては「八上(やかみ)郡」「智頭(ちず)郡」と分かれていたのが、ひとつになって「八頭郡」になったものと思われます。
ちなみに、「八上」というのは、大国主命がイナバの白兎を助けたあと、旅の途上で見初めた「八上姫」に由来するものと思われます。
なぜ、わざわざ神戸でそんなものを読んでいたのかは自分でも不明。

頭が八つの妖怪。水木先生の境港あたりにいそうな気がしたのですが、そういえば、お隣の島根県にヤマタノオロチというのがおりましたなぁ。

☆INDYさん。
そうなのです。タマゴは基本的に万事に控えめでシャイなのです。
ですから、堂々と入ればよいところをつい、
「ごめんなさいよ」と手刀を切ってしまふのです。
ととやのミックスフライはたいへん魅力的ですね。
ちなみにエビフリャーはタマ母の大好物であります。
ひれカツはタマ爺の好物です。(肉に対する執着心が強いのです)
タマゴはカニクリームコロッケが好きです。
おそらくウズラは自家製野菜サラダに惹かれるでせう。
家族4人で平和に分け合えるミックスフライはスグレモノと言えます。
by 温泉たまご (2007-09-17 03:19) 

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